「会話が苦手」は発達障害だから?もしそうならどうしたらいいの?

発達障害

ここ数年で世間に広く認知され始めた発達障害というワード。

そのワードに並んで、いわゆる会話が苦手な「コミュ症」なんて言葉も日常やネットの世界で見聞きする頻度が高くなりました。

ネット上に転がる情報をネットサーフィンで巡る中で、「もしや自分は?」なんて疑いをかけてみたり、人に言われて「そうなのかも?」なんて考えている人も少なくないでしょう。

発達障害とは?

一言でいうと、発達障害とは「先天性の脳機能障害」のことです。

障害とは言ってもその程度の差は様々で、ほどんど障害かどうかさえ曖昧な程度の軽レベルのものから、明らかに社会生活に支障をきたしており、本人、または周囲、あるいはそのいずれも困る程の問題のあるレベルまで様々です。

また、外見的な見た目にも普通で違和感がないことも多く「どこからのラインが障害で」といったようなハッキリとした診断基準はないため、厳密な見極めは非常に曖昧で難しいという現状もあります。

大人になってからなんとなく生き辛さを覚えて、診療内科を受診した結果「発達障害である」という診断を受けて自分が発達障害であったということを知るパターンも非常に多いです。

ということは、潜在的なその人口数はもっといるのかも知れませんが、裏を返せば「発達障害である」ということを知らなくてもそのまま生きていける、少なくとも現段階では生きていけているという人も少なくありません。

ここで、発達障害には持っている特性によって大きく3つのタイプ、パターンの診断名に分けられていることをお伝えします。

  • アスペルガー症候群(ASD)
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)
  • 学習障害(LD)

この記事は発達障害の解説記事ではありませんからそれぞれの細かい解説はしませんが、これらのいずれのパターンにも、人との会話やコミュニケーションに問題を抱える例が見られるようです。

また、発達障害の人が抱える症状としておおよそ一般的なものを挙げてみますと

  • 場の空気が読めない、相手の気持ちが理解しずらい(非言語コミュニケーションが苦手)
  • 故に対人関係が苦手、あるいは対人関係の問題を抱えやすい
  • 協調性に乏しく、集団行動の苦手とすることがある
  • 忘れ物、ミスが多い、注意力散漫である
  • マルチタスク、同時進行が苦手である
  • すべての、あるいは特定の音や光に対して過敏である
  • 学習能力が分野やジャンルごとによって激しくバラつきがある
  • 強いこだわり、自分なりの儀式を持っている場合があるため、融通が利かない部分がある。また状況によっては、自分のいつものこだわりや儀式が保てない、儀式を狂わされるような事態になると、必要以上に取り乱してパニックに陥ったり、いつもなら普通に出来ていることさえ出来なくなってしまうこともある。

これらの特性は相互に関わり合っているものでもあり、またこれらの特性が発達障害の人の「会話が苦手」という結果を生むことにも繋がっています。

また、先にみたように発達障害のパターンは大きく3つに分かれており、ASDにはこの特性がみられる、とかADHDにはこの特性が強い、のように細かく定義されているのですが、どのパターンの発達障害であろうと、他の発達障害のパターンの特性に当てはまる可能性だってあります。すなわち複数のパターンの発達障害の特性を複合的に抱えていたりする可能性もありますので、「会話が苦手な発達障害の人」という内容の本質、対処法を考えるときに、会話が苦手なその発達障害の人がどのパターンであるのかを細かく分けて考える意味がありません。

また、例え定型発達の人であっても、上の特性に当てはめようと思えばいくらでも当てはまる人はいるわけで、本来は誰でも持っているものではないでしょうか。ただそれらの特性の度合いが平均より強い、または特性の度合いの強さ故、日常生活に支障をきたす程の場合、それを「発達障害」と呼んでいるだけという見方ができます。

上にあげた特性は、発達障害でもそうでなくても人間として、また性格によっては、当たり前といえば当たり前だといえます。

完璧な人はいませんから、定型発達の人であっても、度合いは違えどほとんど全ての人が少なくとも1つや2つ、上の特性に当てはまるだろうという観点でみれば、「誰しもが発達障害である」ということになってしまいますし、みんな発達障害なのであればそれが「普通」ということになりますので、もはや「会話が苦手という原因」を探すのにもはや発達障害かどうかはどうでもいいのです。

一番大切なことは発達障害云々よりも、「会話が苦手」ということに対する原因を理解し、その対処法を学ぶことですから、思いあたる節があるからといって「自分は会話が苦手だから(発達障害だから)発達障害(会話が苦手)なのかも」と勝手に決め込んだり、それに囚われすぎるのはやめてください。

それは自分に対する負の思い込みとスパイラルをより強めてしまうだけです。

それを理解した上で次章に進んでみましょう。

発達障害の人が会話に中で苦手としていること、よくある会話パターン

ここで、発達障害の人が会話の中で、具体的に何を苦手としているのか、その核となるものを挙げてみます。(全ての発達障害の人に当てはまるわけではありません)

  • 非言語コミュニケーションが苦手
  • 冗談を交えた砕けた会話、ボケやツッコミが苦手
  • 相手の目を見ることが苦手
  • 順序立てた話し方が苦手

非言語コミュニケーションが苦手

例えば発達障害の人が持つ特性の1つに非言語コミュニケーションが苦手というものがあります。通常、人が会話をするときは言語情報に加えて、意識的にも無意識的にも非言語情報を含めたやりとりを行っています。

身振り手振り、ジェスチャー、目の動き、表情、動作などで非言語による情報を送受信するすることによって、言語プラスアルファの情報を与えて補足したり、もしくは相手が発した言語との相違、裏を読み取ったりします。

つまり会話が苦手な発達障害の人は、この非言語にあたる情報が読み取れないのです。

会話が苦手な発達障害の方にとって、やりとりされる情報のすべては「言語」のみ(全ての発達障害の方がそうであるとは限りません)ということになってしまいますから、会話相手との相互の思い違いが起こるばかりでなく、悪さを企む人に利用されたり、騙されたりする場合もあります。

また、相手の気持ちが分からないということは、相手が退屈そうに聞き流していることにも気が付かず、自分の話したいことを延々と話し続けるような一方通行の会話になることもありがちです。

また、発達障害の人は頑固である反面、人の意見や教え、考えに対して額面通り忠実に従ったり守ろうとする傾向もありますので、例えばある1つの事柄を人に注意されたことをキッカケに「相手の話を聞かなきゃ、聞かなきゃ」と「聞く」ということに対して意識を集中させようとして、いつの間にかそこに意識を向けることでいっぱいいっぱいになってしまい、自分の話したいことが浮かんでこずに、相手の話を一方通行にしてしまうこともあります。

冗談を交えた砕けた会話、ボケやツッコミが苦手

また、日常の雑談中における会話にしても、言葉を額面上で受け取るという特性によって、冗談やボケツッコミという概念が存在しない、または極端に薄いのです。(個人差があります)

冗談で発された言葉を真実として受け取ってしまい、誤解してそれに激しく怒ったり、深く傷ついたりするのです。

また自分が話すときはいつも真面目な話を真面目にしか話さないので、本人に全く悪気はないのに相手を疲れさせたりしてしまいます。

こうなればやはり人との円滑な会話を交わすことが難しくなってきます。

雑談であれば、ふざけた会話に終始しても成り立つということが分からないのです。


相手の目を見ることが苦手

発達障害の方の中には、人の目を見ることが苦手であるという傾向もあります。
その理由は目を合わせることでストレスや嫌悪を感じてしまう、とか目を合わせる必要性を感じていない、などと言われています。

いずれにしても人と目を合わせるという行為が得意ではないパターンは多いです。

ですが一般的には、「人と会話をするときは相手の目をみてしましょう」というのが定説になっています。

発達障害の方もこのように教育されたり、言われたりした経験があり、しかも人の意見や教えに真っすぐすぎるほど忠実になってしまう面があるゆえ、「話をするときは目をみなきゃ、目を見なきゃ」と考えているうちに相手の目をみることに集中しすぎて相手の喋っている内容が頭に入ってこないということが起こります。

また、自分が話をするときも「相手の目を見なきゃ、目を見なきゃ」と考えているうちに、自分が何を話しているのか、話したかったのか、ということが分からなくなってしまって、しどろもどろになってしまうことがあるのです。

なぜこのようなことが起こるのかというと、「目を見る」と話しを「する」「聞く」という行為がマルチタスク、つまり同時進行で行う作業だからです。

しかもそのタスクは、ただでさえ彼らの苦手とする「目を見る」という行為だったら尚更のことです。

発達障害の人は基本的にマルチタスクが苦手であることが多いので、1つ「これをしなきゃ」と意識してしまうとそればかりに集中しすぎて、他のことが意識から抜け落ちてしまうのです。

もしくはマルチタスクになったとたん注意散漫になって、本来ならできるはずの1つのこともできなくなってしまいます。

あくまで本人としては良かれと思って誠意を込めて見ているつもりでも、「ちゃんと目をみなきゃ」と観念的になってしまうことで、心に緊張が生まれ、目を凝視しているかのような感じになってしまいます。そうすると相手も心理的に話し辛くなるということが起こります。

順序立てた話し方が苦手

よく「発達障害の人は順序立てた話し方が苦手だ」というようなことが言われます。

一体どうしてそのようなことが起こるのかというと、それは「自他境界線の曖昧さ」がその原因の1つだと考えられています。

例えばこの自他境界線の曖昧さというのは、自分が見聞きしている認識を当然相手も認識していると考え、自分が考え思っていることは当然相手は理解しており、自分の内側に映っている世界や、自分が考えていることが「必ずしも相手が共通に持っているものではない」という想像力が欠けているのです。

もちろん個人差はありますし、その想像力が全くないわけではないのですが、それが定型発達の人に比べて低い場合が多いとされています。

ゆえに本人が話をしたり説明するにあたって、段階として必要な説明の話がすっ飛んでいたり、話の順序がぐちゃぐちゃであったり、言葉に主語や目的語が抜けていたりして、聞いている相手のみならず、話している本人でさえ「話がよく分からない」ということが起きるのです。

発達障害の「会話が苦手」を克服するには?

発達障害の会話が苦手という意識を克服するためのまず第一歩は、先にこの記事で取り上げたような発達障害の人が持つ性格や考え方などの特性、そして自分が普段の日常で行っている会話のクセを知ることです。

それらのクセや特性が分からないと解決できませんし、逆にそれらが分かれば日常生活において、自分の言動や修正すべきポイントに自ずから意識が向きますので、やはり自分のクセや特性を知ることが大切な一歩となります。

あとは他人同士が行っている会話から参考にすることも大事です。作法を盗むということですね。

人はどういう雰囲気、内容、流れ、表情、口調、受け答えの仕方で会話をしているのかを、暇なときにさりげなく聞いてみるのです。

当たり前ですが間違ってもそれをガン見したり思い切り聞き耳を立てていれば不審ですので。聞き耳を立てる、盗み聞きをするというような意識ではなく、「参考にする」という視点で聞いてみて下さい。

それは学校で休み時間に友人同士が話しているものでもいいですし、会社の同僚同士、同僚と上司、同僚と部下、カフェや駅のホームで人々が会話している内容でもいいです。

あとはテレビやラジオ番組などで人が言葉をやり取りしているシーンも、注意深く観察していれば、自身の参考になるものが見つかることもあります。

とにかく色んな場所、シチュエーション、その人同士の関係性の中でどのように、どのような会話が行われているのかを参考にしてみるのです。

そして自分のしている会話に照らし合わせてみて、「これは使えそうだ」と思ったものを真似して自分の中に取り入れてみることは、会話が苦手な発達障害の方がそれを克服するには非常に有効になります。

そして何よりも大事で効果的な方法は場数を踏むことです。

毎回人と会話する度に、「練習だ」というぐらいの軽い気持ちで何度もチャレンジしてみることです。

「うまくいかなかったな」と思うこともあるかもしれませんが、そんなことは割と多くの人が悩む日常茶飯事ですし、そもそも会話に会話に厳密な失敗も成功もありません。

自分が思っているほど他人は気にしていませんし、何度も繰り返しているうちに自然とコツは掴めてきます。

まとめ

発達障害。

それはアンバランスな能力の持ち主であると言えます。

定型発達の人に比べて能力にバラつきがあるのです。

ただ、誰しも得意不得意がありますし、能力にもバラつきだってあります。

発達障害の特性など、例え発達障害でなくとも、当てはまる人はいくらでもいるのです。そんな特性を当てはめるだけで発達障害だと決めつけていれば、誰しも発達障害だということになってしまいます。

なので究極的に言えば自分が発達障害かどうかなんて事は、ほとんどどうでもいいことです。

ただ、しいて言うならば発達障害の人は、ただその度合いが強いというだけの話です。

ならばその度合いの強さを武器にするという考え方も重要です。

例えばアインシュタインやエジソン、スティーヴ・ジョブズなんかも、人に比べて激しく能力にアンバランスがあったのです

しかしそのアンバランスによって、突出している能力の部分で、彼らの後世、現代、恐らく永遠の未来に渡って影響を及ぼし続けるであろう功績を残したのです。

このことから分かるように、自分の得意なこと、好きなこと、持っている能力を認め、愛し、伸ばし続けることで後にそれが世に大きな貢献をもたらすものとして成長するかもしれません。

本当にその意味が分かれば自分の存在には価値があるいうことが意識でき、心には自信が据わります。

それが結果的に自分の生き方、社会、人との交流に自信を持つことに繋がり、苦手だと思っていた会話は、なんということもなく出来るものだという事に気付くかも知れません。

今回の記事は具体的な会話が苦手の克服法よりも、発達障害の人が持つ性格やその特性、クセと抽象的ではありますが克服に必要な考え方や、克服の第一ステップとなる一番基本的で重要な方針を指し示したつもりです。

全ての会話が苦手な人に使える克服法を記した記事はこちらに用意してあります。

是非合わせてこちらの記事もご覧ください。↓

仕事にも使える「会話が苦手」を克服するために必要な認識

2017.11.20

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