「『また』今日という1日が始まった」
ある人にとっては希望と活力みなぎる思いで、またある人にとっては絶え間なく繰り返されるだけの日常に、上がらないうだつとため息交じりに漏らす1言でしょうか。
憂鬱な心、仕事に対して上がらないモチベーションに、心の無気力さ感じつつ、どうにも対処方が見当たらないと行き詰まっている方への新たな視点を持つキッカケとなれば幸いです。
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脳は常に省エネ運転を心がけている
「モチベーションが上がらない」という悩みを持ってこの記事まだ辿り着いた、あなたの脳裏には、自分が仕事のモチベーションを上げてバリバリと仕事をこなし、得たい生活の未来像というものが明確か漠然にでもあるのではないでしょうか。
それはある人にとって高級な家、車、ブランド製品に囲まれて優雅に送る生活、ある人にとっては時間や経済的にも束縛を受けない悠々自適に過ごす生活かも知れません。
そういった願望があるのはいいことです。しかしこのとき考えるべき問題はあなたは本当にそれらを得ることを望んでいるのかということです。
人間、痛みや苦痛、危険から逃れるときに発するエネルギーたるや凄まじいのですが、逆にポジティブなものに向かう際のエネルギー、つまりその源にあるモチベーションがなぜ上手く発揮できないのかという問題について考えてみます。
「だって別に今のままでも生活できているじゃない?」
脳は奥底でこんな風に考えているとしたらどうでしょうか。
生物の生存本能上、危険などのネガティブな状況からの回避については、緊急性が要されますが、逆に成功とは今すぐに実現されなくても、少なくともこのまま日常が過ぎていったとして、今の所は何の問題もないわけです。
しかも人間の脳というのは、人間の体内にある臓器の中でもその他のものと比べても段違いの量で酸素や栄養分の供給を必要としますので、常に省エネで活動しようとする習性があります。
『火事場の馬鹿力』という言葉がありますが、これは例えば緊急性的に危険回避の際に馬鹿力を発揮できるよう、常にエネルギーの温存をしておくためという側面もありますし、あとは常に脳がフル回転で多くのエネルギー消費がなされ続けていれば、他の臓器に供給させるためのエネルギーが不足し、それはそれで身がもたないという事態になりかねないからです。
モチベーションが上がらない原因
ここでモチベーションが上がらない一般的かつ本質的であると考えられる原因を挙げてみましょう。
- 本当に自分のやりたいこと、欲しているものが分かっていない
- 自分にはそれが出来る、達成できるという自信がない
本当に自分のやりたいこと、欲しているものが分かっていない
単刀直入な疑問として、あなたがその仕事に対してモチベーションが上がらないということについて、心のどこかで『本当はモチベーションを上げたいと思っていない』のでは?という問いを考えてみたいと思います。
つまりあなたのやっている仕事は自分が本当にやりたいことなのですか。あなたが仕事でモチベーションを上げて手に入れたいと思っているものは本当に欲しているものなのですか。という率直な疑問です。
これは前章の話の続きになるのですが、例えば今やっている仕事が本当にやりたいと思っていることではない。またはモチベーションを挙げてバリバリと仕事をこなして手にしたいものがない、自分では欲していると思っているつもりだが深層心理ではその思いが一致していない。
このような状態であれば、そもそもモチベーションをあげること自体が困難なのではないかと思います。
自分にはそれが出来る、達成できるという自信がない
人は誰しも思考や意識、信念があります。ポジティブなものもネガティブなものも含めて全てそれらに総称されます。故に好きだと思うもの、嫌いだと思うものを人はそれぞれ自分の中に抱えて生きています。そしてやりたいと思うこと、やりたくないと思うことを感じながら生きています。
つまりどんな人にも好きなもの、やりたい事があります。これは絶対です。
ですが世の中には自分は何が好きなのか、やりたいのかが分からないという方が大勢います。それは何故かと言うと、無意識の内に心に制限をかけてそれを見えなくさせているんですね。
ではその心に制限をかけている正体とは何なのか。
それが自信無さと自尊心の低さです。
ちなみに私がこの記事で使っている『自信』『自尊心』という言葉の定義を軽くしておきます。
- 自信 : 自分が物事を達成する為の能力に対する自己評価、信頼
- 自尊心:自分に対する価値、肯定感の認識
実はこれらが欠けていると脳は無意識に「そんなことやっても自分にできるわけがない」という理由をつけ、つまりそれは自分には関係のない情報として、自分の『好きなこと』『やりたいこと』という情報を意識上に上がる前にシャットアウトして切り捨ててしまうのです。
あなたが本当に求めているものは何か
さて『上がらない仕事のモチベーション』という話題に話を戻しまして、つまりは何が言いたいのかと言うと、なぜあなたのモチベーションが上がらないのかという理由は大きく分けて先に見た2つのいずれかに要約されます。
- 本当にやりたいこと、欲しているものが分かっていない
- 自分にはそれが出来る、達成できるという自信がない
細かく話し出せばキリがないのですが、この2ついずれのいずれにも共通して言えることは、自分の気持ちに気づけない、もしくは押し殺した状態で自分のやりたくないことをやっている可能性が極めて高いということです。
最初は自分でやりたいと思って決めた道かも知れませんが、例えばその道を決めた根拠が「みんな(世間体)がいいと思っているから」「友人に勧められたから」「(その道を決断すれば)親が喜ぶと思ったから」であったらどうでしょうか。
そこにあるのは自分の内から湧き出てきた欲求ではなくて、世間や他人が作った基準、レールを知らず知らずの内に走っているということになります。
例えばあなたは誰もが知るような一流企業(ではなくてもいいですが)に入ったとします。その会社に入った理由が、企業の理念や事業内容に惚れて『自分が本当にやりたいと思える仕事』であるなら、そして先に自分自身のゴールがあって、その会社で働くことがゴール達成の為のステップとなっている、つまり自分がどうして『その会社で働くのか?』という意図が明確になっていれば、あなたの仕事に対してのモチベーションは高いはずです。ですがこれが『その一流企業に属している自分』を感じて自分の価値、肯定感を維持しようとする、その自分を周囲から尊敬され認められたい、親に喜んでもらえて世間体もいいから。という部分にフォーカスが当たっていたらどうでしょうか。
それは本当の意味で自分の内から湧き出てきた欲求、モチベーションでないことは明らかだと思います。
これはほんの1例に過ぎませんが、世間の人達の選択というのは、本当に自分の内なる目、心で見て感じた上でのものなのか?と疑わざるを得ないものが多くあるはずです。
「あそこが今話題だから」と話題の店の行列に並ぶことに勤しむ。「今年はこれが流行ですよ」となればみんなと同じような服を買い漁る。
いやもちろん人間そういうこともあっていいですし、あって当然ではあると思います。ですが人生における小さなものから大きなものまで、ほとんど全ての自身の行う選択や生き方が、『自分の外』にある価値基準に振り回されて生きていると、自分の本当に好きなことややりたいことなんて分からなくなってしまっても当然だと思うのです。
自分が最初は好きだと思った物でも、やりたいと思った事でも、『実はそのように思わされているだけ』という虚構の願望に私達人間は飲み込まれてしまうということが往々にしてあるのです。
では一体どうすれば自分のやりたいこと見つかるのでしょうか。
自分の軸で生きる
結論から言えばこれが究極の答えになります。逆に世間や他人の軸で生きている間は、本当に自分のやりたいことをやり、本当の意味で仕事や人生に高いモチベーションを持って生きることはできません。
他人がいいと感じる思考や価値観に自分を沿わせて物事、仕事、働き方、人生を選択している。
これこそが正に他人の顔色や評価に振り回されて、他人の軸、レールを走らされている人生であり、この根本的な自分の軸、主導権を取り返さねければ、モチベーションが上がらないという問題が根本的な所から改善されることはないと思います。
- いつも他人の目を気にしてしまう
- 気を使いやすい
- 真面目すぎて疲れる、失敗する
などの悩みを自分で感じている方はこちらの記事もご覧ください。⇒「人の目が気になる・・・」のはなぜ?その原因とは?
ただ、やはりこ自分の軸で生きる為には、先ほど申しました『自信』『自尊心』という基本的要素が不可欠となります。
- 自信 : 自分が物事を達成する為の能力に対する自己評価、信頼
- 自尊心:自分に対する価値、肯定感の認識
確固たる自信と自尊心を自分の心の中に据え、『自分の軸で生きる』為のテーマとして詳しく解説した内容の記事もまたの機会にご紹介したいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
最終的に仕事へのモチベーションが上がらない原因は他人の軸、評価を基準に物事を決定して生きているからという結論に達しました。そして仕事のみならず、高いエネルギー、モチベーションで人生を生きるには、他人の軸を自分の心から捨て去ってしまい、新たに自分の軸を構築し直す必要があるというのが私の考える結論です。
実はこれはかなり根が深い問題で、一朝一夕に問題を解決するということは難しいかも知れません。しかし一つ一つ丁寧に、もはや不要となった他人に植え付けられた軸や基準を取り去って、自らの軸に置き換えていくというステップを踏んでいけば、あなたがあなたらしく、高いモチベーションで仕事をこなして『自分の人生』を生きられるようになるということです。
『仕事とモチベーション』に関する内容については、是非こちらの記事もご覧ください。⇒『仕事のモチベーションが維持できない』という問題を考える